トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅クリニックによって意外な事実が次々と判明

クリニックによって意外な事実が次々と判明



 Y.Mさんのスピーカーはアメリカ本国では沢山売れているのですが日本ではあまり目にしないティールです。B&W、アバロン等と並んでダイナミック型スピーカーでありながら音場再現性に優れたスピーカーの代表格の一つです。

 そのスピーカーの付属のスパイクを外して直にPB-BIGを使って頂いております。発売して間もない頃に試聴の上お買い上げ頂いたので私にとっては大変印象の強いお客さんなのです。肝心なそのティールの音はというと正にノンカラーレーションにつきます。リアリティーに優れているが上に良いも悪いもそのまま正直に出してしまう怖いスピーカーでもあるのです。

 16畳ほどのリビングにピアノやTV等と一列に並べられるようにして置かれたシステムと部屋との関係を一通り情報としてインプットします。いち早く目に入ったのはピアノの足元に置かれたステップダウントランスです。

 幅に関してはどれもその場から殆ど動かす事が出来ない状況です。ですから動かせる物といったらスピーカーとラックを前後に少々と、このトランスぐらいしかありません。そのトランスの位置をずらしながらピアノの和音チェックを息子が始めました。正直なものでまるでピアノの調律をしているように、そのトランスの置き場所によって和音がきれいになったり濁ったりするのです。

 ラワンであろう合板に取り付けられたトランスの下にはゴム系の物が敷かれてあります。このようにトランスは大きく振動しておりますので、ローゼンクランツのインシュレーターの効果が大きく発揮出来るところなのです。ちなみに今回はPB-DADDYを使いました。

 ピアノそのものが良い音で鳴るという事は、それをも含めてその部屋の響き方が美しい和音構成になったという証明になります。こうして一見オーディオシステムとは関係ないように思われる事も、実はお互いが影響を及ぼしながら関係しあっているのです。

 厳密に言えば建て物とその中にある家財道具全てがそうですが、それがどの程度、どの様にとまでは明らかにする事は出来ませんが、間違いなくそうである事だけは確かですね。これは是非とも知っておいて頂きたいと思います。

 次に効果が大きいと目を付けたのが、ガラスの棚板のスチール製ラックのスパイク受けインシュレーターです。重たいトランスポートとパワーアンプの二つを下ろせば一ヶ所ずつ浮かしながらの設置が可能です。ここはJR(H)タイプをテストしました。トランスとの相乗効果で不要共振によって生まれる神経質そうだった音が減り、ドラムやベースの音が力強く肉付きの良いものになると同時に大変明瞭に聞こえ始めました。

 システム全体の振動問題が落ち着いた次は電源タップ「ナイアガラJr.」の効果を体験して貰います。見る見るスピーカーから出て来る音のグレードが別物といってもよい位に向上しました。この時点で意外な事が判明したのです。

 それは左右の音量レベル差に大きな開きが出てきたのです。その犯人を見つけるべく一つずつチェックして行きますと、この最近購入された1本のピンケーブルにたどり着いたのです。外観から見る限りは分るものではありません。恐らく十中八九半田付けの不味さが原因していると思います。ターミナルとケーブルが直接接せず、浮いた状態でシッカリと付いていないのでしょう。力強い音が出て来るようになった事とスピーカーの性能の良さによって今まで見えなかった水面下の模様まで分るようになったのです。

 こうしてクリニックを終えてみますと、音を良くして行く為には、次に『何をどのようにしようか?』と進むべき道がハッキリと見えてくるのが良い点です。


 先日のお礼


 ----- Original Message -----
 From: "Y.M"
 To: <info@rosenkranz-jp.com>
 Sent: Thursday, May 20, 2004 9:06 AM
 Subject: 先日のお礼


 カイザーサウンド
 貝崎様
 
 札幌のY.Mです。先日は非常に貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。それにしても、目の前で展開される光景は信じられないものばかりでした。トランスやラックの足回りと微妙な位置、スピーカーの向きや左右での僅かな前後の位置の違い・・・、次から次へと改善点を見つけて修正し、最後はケーブルの欠陥まで指摘されたときには、もう目が点の状態でした。プロのすごい耳と技。我々素人にはとてもできません。
 
 ケーブル、インシュレータ、電源ボックスなどを貴社製品に替えて、部屋に響き渡った美しく生々しい音。変化の大きさに家族共々驚きましたが、それでもまだ、限られた時間で機器の潜在能力を十分に引き出し切れていないとのことで、我が家のシステムの可能性の高さを改めて知ることができました。また、これからのセッティングの改善方向も見えてきました。

 アクセサリー類は決して安価ではありませんが、あれだけの改善効果があるなら十分に投資に値します。要は使い方次第ということが良くわかりました。せっかくの機器を「宝の持ち腐れ」状態にしないためにも、できるところから少しずつ手を付けて修正し、あの素晴らしい音に近付けていきたいと考えています。
 
 最後に元に戻すときにケーブル接続や機器の微妙な位置の修正をしていただいたおかげで、我が家のシステムの悩みだった"荒れ気味の音"がすっかり消えて、今はオーディオの前に座るのが楽しみな毎日を過ごしています。改めて感謝いたします。
 
 またわからないことでお問い合せさせていだたくこともあると思います。今後ともよろしくお願いいたします。メールで恐縮ですが、先日のお礼までに。


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